十七戦地お知らせブログ

東京の劇団、十七戦地の稽古場や外部活動についてお知らせします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

このエントリーをはてなブックマークに追加

【柳井祥緒の構想ノート】脚本の書き方3「本を読む」

こんにちは、十七戦地の脚本・演出担当の柳井です。
「獣のための倫理学」もおかげさまでご好評を頂きながら公演期間の折り返しを迎えました。
練って盛って削いで研ぎ澄まさせて、もっともっと濃厚で鋭い、熱い作品に高めて参りますので、ぜひぜひ劇場へ足をお運び下さい。

さて柳井祥緒の構想ノート、3回目にして最終回は「本を読む」です。
作品構想時にはとにかく本を読みまくります。
作品に直接関係するものから、一見そうではないものまで、一つの作品を書き上げるのに何十冊と読んだり目を通したり。
今回はその中でも、上演脚本完成の最後の瞬間まで手元に置いていた3冊をご紹介します。

●片田珠美「無差別殺人の精神分析」


秋葉原や大阪池田小、あるいはコロンバイン高校などで実際に起こった無差別大量殺人の犯人の精神分析を行うことで、同じような事件を防ぐために何が出来るかを模索するのが本書の目的です。
無差別大量殺人を起こした犯人に共通する特徴を元に、論理的に解決策を探す筆者の姿には痛みすら感じます。
さらに導き出された結論と、それに対する筆者の覚悟は壮絶で、読後に残る余韻はドストエフスキーの小説にも似ています。
筆者の片田珠美さんは「獣のための倫理学」の登場人物の一人、市川玲子のモデルにもさせてもらいました。

●レイモンド・J・コルシニ「心理療法に生かすロールプレイング・マニュアル」

タイトル通り心理療法のためのロールプレイングを行うためのマニュアルです。
具体的かつ分かりやすい事例を元に、ロールプレイング療法がどのように行われ、どのようなことが起こるのかを教えてくれます。
ただ、外国の事例集ということもあり、いきなり読むとイメージがつかみにくいかもしれません。
柳井は取材のためサイコドラマ(ロールプレイング療法の一種)のワークショップに参加してから読んだので、すごく腑に落ちました。
ご興味のある方は併せてワークショップに参加した方がより楽しめるかもしれません。

●飯城勇三「エラリー・クイーン論」

アメリカ探偵小説の大巨匠にして20世紀最高の小説家エラリー・クイーンの作品を分析した最高の評論集。
唯一無二のエラリー・クイーンがどのように論理的推理小説を生み続けたのかを丁寧に解き明かしてくれます。
つまり「論理的推理小説を書くマニュアル」のような側面を持っているわけです。
この本を何度読み返し、何度助けてもらったか。
そしてエラリー・クイーンの手際の前に何度挫折し、無力感と絶望の中であがいたか。
ちなみに本書にはエラリー・クイーンのもう一つの武器「あやつり」という特殊なテーマを解析した章があり、こちらにも大きな影響を受けています。


以上、駆け足ながら三冊をご紹介致しました。
こんなにも面白い本に支えられて「獣のための倫理学」は作られています。
それがどんな成果物を生み出したか。
ぜひ劇場にてお確かめ下さい。


脚本・演出 柳井祥緒

スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加

共演者から見た関根信一

大摘通信編集部(こと十七戦地制作部)です。
キャストひとりにつき、2名の共演者がその人となりを語ります。
最後にご紹介するのは劇団フライングステージ劇作家・演出家・俳優の関根信一さんです。

IMG_9314.jpg
関根信一(せきね・しんいち)
photo by 17cm

■柳澤有毅の証言

十七戦地に初出演をして下さる関根さん。
もう何と言っても経験が違います。
そして、豊富な知識。

それから御自分の劇団では作家さんであり、演出家さんでもある方なので、
稽古とはどういう事かを熟知していらっしゃいます。

出演者全員が関根さんを先生のように頼っています。


詳しく言えないですが、
柳澤が演じる役からすると関根さんの役は、砂漠にある湖(オアシス)なのです。

喉カラカラの状態を癒やすべき人。

ただ、その湖もどうして砂漠にある状態なのか?

そこにも理由があります。

ぜひ確認をしてみて下さいませ。


■藤原薫の証言

ひとを食べものに例えるのはどうかとも思うのだけど、せきねさんを食べものに例えると
私は和菓子が一番しっくりきます。
和菓子にもいくつか種類がありますが、練りきりのイメージです。
華やかで温かみのある。それでいてどこか素朴な感じ。
職人さんが丁寧にひとつひとつ創りあげたお菓子のよう。
そう、お菓子というのもポイントです。
せきねさんは仕草や姿がとってもスイートなのです!
手指の流れだったり、足のそろえたそれだったり。
思わず見惚れてしまいます。
見惚れるというかいつもついつい見ちゃうのですけどね…

あと、今回初めてご一緒させていただくのですが
初めてではないくらいの安心感もあります。
それはせきねさんがお持ちの心の広さが滲みでてるからなんだろうなー
と、私は思っています。




このエントリーをはてなブックマークに追加

共演者から見た藤原薫

大摘通信編集部(こと十七戦地制作部)です。
本公演のキャストについて、共演者がその人となりを語ります。
本日ご紹介するのは十七戦地劇団員・藤原薫です。

_94A7580.jpg

藤原薫(ふじはら・かおる)
photo by Seiji Kinoshita

■関根信一の証言

 はじめましてです。稽古をご一緒するなかで、藤原さんのたたずまいがなんてかっこいいんだろうと、いつも思っています。その時その時一生懸命考えながら演じている様子が、僕は大好きです。
 なぜこうしなきゃいけないのかわからないけど、いまいち納得できてないけど、とにかく演じてしまうというのも一つのやり方でしょうが、稽古中の藤原さんの周囲には時に「?」マークが吹き出しのように浮かんで見えます。
 そして、なんでだろう、どうしてだろうと、ぶつかっていくそのかんじが、正直でとてもさわやかなのです。そのさわやかさの奧には、どこか「コツン」としたところがある。頑固だとか融通がきかないというのではない、いい意味での固さ。そんな「コツン」としたかんじ。キラキラしています。
 あ、ここまで書いて、これは「若さ」というものなのかもしれないと気がつきました。だからまぶしいのかと。
 あ、「コツン」という音も、藤原さんのニックネーム「カオツン」から来ているのかもしれません。そうなの?
 いいえ、そうではなくて、藤原さんのそんな芝居への向き合い方は、若さゆえではなく、もっと他の理由があるのだと思います。ともあれ、「コツン」とした印象は、僕が忘れてしまって久しいものであることは間違いがありません。新鮮です。
 役柄上の関係もあり、稽古中にカオツンを見ているのはとてもうれしい時間です。稽古と本番をご一緒しながら、同じ「女優」仲間として、そんな「コツン」の秘密を探っていきたいと思っています。よろしくお願いします!
しくお願いします!

このエントリーをはてなブックマークに追加

共演者から見た浜野隆之

大摘通信編集部(こと十七戦地制作部)です。
本公演キャストについて、共演者がその人となりを語ります。
本日ご紹介するのは初出演、浜野隆之さんです。

20130130 152315
浜野隆之(はまの・たかゆき)
photo by Yuma Kobayashi

■小林祐真の証言

今回初共演です。
毎回、顔合わせの時には

「良い人だといいな。」
「絡みやすいだろうか?」
「恐そうな人は苦手だな」
「座長は顔合わせちゃんと仕切れるかな?」

等々、不安とワクワクが
入り混じりながら臨むのですが

浜野さんの場合は第一印象から

「あ、大丈夫だな」
と感じました。(褒)

本番の仕上がりはさておき。
客出しで彼が素の状態で話してる姿を見れば
言わんとしていることが伝わると思います。

誰しもが、あの親戚のおじさん感に安堵することでしょう。

「名誉 母方の伯父」といった具合です。

顔に似合わず、ファンシーな柄物の服を好み
顔に似合って、甘い物好きな

名誉 伯父さんの 伯父さんぽくない演技に乞うご期待
(そうでもねぇか)


■藤原薫の証言


まず、思い浮かぶのがあの、『ぱーっ』とした笑顔です。
毒気がぜんぜんないのです。
子どものようなものとも違うのですが、
全部わかった上で毒がなくての『ぱーっ』なのです。
(表現が難しいぞ!)
不思議ですね。不思議なのです。
私はつくづく不思議に思っております。
はまのさんは不思議なひとです!
それと実はとってもお茶目さんなんではないか、とも思っています。
お茶目を良いタイミングで出しつつ(小出し)、普段はひた隠しにしてる。
そう感じています。これが私の普段の印象です。
お芝居はというと、しっかり足のついた素敵なお芝居をされています。
作品の流れから、見せることへの意識が早くて
とても尊敬しております。

うーん。それにしても不思議だなぁ…

このエントリーをはてなブックマークに追加

「CoRich舞台芸術まつり!2013春」エントリー文

大摘通信編集部(a.k.a.十七戦地制作部)です。
本公演、『獣のための倫理学』で、
CoRich舞台芸術まつり!2013春にエントリーしてみました。
これは「こりっち」の愛称で知られる、演劇口コミポータルサイト・CoRich舞台芸術!が主催する
インターネット上の舞台芸術フェスティバルです。
3月1日〜5月31日に開催される舞台公演を対象に応募を募り、
第1次審査を通過した10団体を審査員が実際に観劇、グランプリを決めるというものです。

『獣のための倫理学』は2月19日(火)が初日ですが、
上演期間が開催期間に一部かぶるため、応募資格がありました。
すでに応募は締め切られ、全部で99団体のエントリーがあったようです。
第1次審査の結果発表は2月22日(金)。
まずは「目指せ!第1次選考通過10団体!」です。

応募にあたり、団体紹介や本公演の意気込み、将来のビジョンなどを400字程度で書くのですが、
全団体、その応募時のテキストが公開されています。
せっかくなので、こちらのブログでも、エントリー文を公開したいと思います。

*****************

■団体紹介

十七戦地はフリーの俳優・北川義彦と、以前演劇企画ミルク寺という団体を主宰していた劇作家/演出家の柳井祥緒を中心に、2010年に結成した劇団です。2012年に俳優の柳澤有毅と女優の藤原薫が加入し、現在、所属俳優は3名です。

2011年7月に、旗揚げ公演となる#1『花と魚』(会場/シアターバビロンの流れのほとりにて)を上演。その2週間後には、利賀演劇人コンクールに参加し、課題作品であった岸田國士の『紙風船』(会場/利賀山房)を上演しました。

同年12月、『花と魚』で柳井祥緒が第17回劇作家協会新人戯曲賞を受賞。

2012年は、2月に#2『百年の雪』(会場/王子小劇場)、8月に#3『艶やかな骨』(会場/シアタールデコ4)を上演。#3は男女Wキャストで2週間のロングラン公演を実施しました。

ファンタジーやSF、歴史や民俗などの題材を扱いつつ、市井の人々の暮らしや葛藤を表現。推理劇のような緊張感のある会話と、壮大なイメージを喚起させる情景を描き、現実と地続きの幻を立ち上げます。


■応募公演の意気込み

本公演は、「津山三十人殺し」という岡山県で実際にあった事件をモチーフにしています。柳井はミルク寺時代にも「津山三十人殺し」をモチーフに戯曲を書いていますが、今回はまったく違うアプローチの作品になりました。

キャストは劇団員3名と十七戦地の#1、#2から支えてくれた常連客演陣に加え、初出演の下井草演劇研究舎・浜野隆之さん、劇団フライングステージ・関根信一さんという盤石の布陣で臨みます。

前回公演終了後からまずは劇団員のみで、それから本公演のプレ稽古として懇意にしている俳優たちと基礎稽古を実施。十七戦地の作品を体現するために、俳優に必要なスキルとは何か。自分の声や身体、考え方のくせを見つめ直し、その先の表現、役作りへと繋げていく方法を模索してきました。

会場はLIFTという早稲田のギャラリースペースで、毎公演、30程のお席しかご用意できませんが、2週間のロングラン、17公演、夜は20時開演(最終日は19時)というステージ設定で、なるべく多くのお客様へお届けしたいと考えています。約90分間、お客様とともに濃密な時間を過ごせればと思います。


■将来のビジョン

次回は9月に王子小劇場で『花と魚』を再演します。
新人戯曲賞受賞後、すぐに再演を、というアドバイスもいただきましたが、もっと団体として経験値をつけてから臨みたかったのと、単純に新作を上演したかったのとで、第5回公演まで待つことになりました。

今までの十七戦地作品はすべて、再演したいと思えるものです。
例えば前作『艶やかな骨』は男女Wキャストでしたが、男女混合キャスティングで上演したり、出演者6人、上演時間60分、照明音響なしという初演時のスタイルのまま、フットワーク軽く他地域に持っていければという野望もあります。

今作『獣のための倫理学』はギャラリーでの小規模な公演ですが、より大きな劇場での上演にも耐えうる作品です。またそれとは別に作品の舞台が岡山なので、岡山や関西圏で上演をしたいという想いもあります。

・より多くのお客様に出会うこと。
・お客様に愛され、繰り返し劇場に足を運んでいただけるようになること。
・さまざまな人と一緒に舞台を作りたいということ。

十七戦地として今後やりたいことを考えた際に、上記のようなことが浮かびました。
劇団員の出身地である福岡や新潟をはじめ、他地域ツアーの実現。それとは別に中・大劇場でも上演できる体力を、戯曲、演出、俳優、制作面それぞれでつけたいと思います。
「十七戦地の公演は見逃せない」
「この企画は十七戦地と一緒にやってみたい」
折に触れてそう思い出していただけるような団体になるべく、ひとつひとつの公演を大事に積み重ねていければと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。